■2010/07/12
 【手打ちうどんの話 その1】
 今から約33年前、昭和52年4月に天文館に「麺どころさつま」を開店いたしました。鹿児島に本物の讃岐うどんを持って来たいと、うどんの神様と言われた「さぬき麺業 香川社長」にお願いして、数ヶ月間泊り込みで修行し、教えていただいたのがさつま麺業の手打ちうどんです。コシはあるけれど固いだけでない手打ち讃岐うどんを守りつづけています。

 手打ち讃岐うどんは、水・小麦粉・塩だけでできています。だから素材の吟味が第一ですが、製麺技術と正直さで味に差がでます。同じ生地から切り出されたうどんが、外はとろ〜り、中はもっちりとした食感をだすミラクル!細かいグルテンがしっかりできているかが勝負です。毎日、讃岐うどん伝統の仕事を、手を抜かず、丁寧に重ねれば、うどんは応えてくれます。

 うどん作りは、毎朝の水くみから始まります。シラス台地にゆっくりと濾過された大重谷湧水は、水の美味しさだけでなく、クラスターが小さいので麺のきめ細かさが一味違うと思っています。その日の気温・湿度や小麦粉の状態によって、水量と塩度を変えます。この加減がこの道30年うどん職人の腕の見せ所です。

 均等にすばやく加水し、生地をこね踏み鍛えます。鍛えては折り返し、鍛えては折り返し、生地と会話しながら、何度も何度も鍛え上げます。延々と続く重労働ですが、これがうどんのコシを決めますので手を抜けません。鍛えた生地をここで一度寝かせます。うどんは寝かせている間にグルテンができます。まさに寝る子は育つ、これが機械化できない理由です。

 寝覚めの生地を、今度は丸く丸くこね1.25kgのうどん玉にします。丸い玉にすることで、立体的にグルテンがしっかりと張り巡らされるのです。本場讃岐でも機械化が進む中、このうどん玉が手打ちうどんの秘密です。さらにうどん玉を定温庫でゆっくり寝かします。

 翌朝、グルテンがきっちりと育ったうどん玉を伸ばします。ここで大事なのは、せっかくのグルテンを切らぬように、ゆっくりゆっくり伸ばすことです。まずは座布団のような形に伸ばし、少し寝かせて生地を安定させます。そして麺棒とローラーで徐々に徐々に薄くします。機械でいっぺんに伸ばしたら簡単ですが、見た目は同じでも中ではグルテンの切れたうどん麺になってしまいます。たてに横に生地を優しくなでがら、心を込めて伸ばします。

約直径1m強に伸ばしたら、切りです。鋭い大包丁で幅8mmに切ります。この角がスパッと立ったいわゆるつづみ型の麺線はうどんの顔です。均一でないと茹でムラになります。

私たちは、茹で釜に120リットルの特注大型圧力釜を使っています。大変大きな設備ですし、取り扱いの難しい圧力釜は、全国的に見ても珍しいのですが、ふんわりと茹で上がる圧力釜の魅力に惹かれ、採用しています。うどんの仕上げ、茹では一発勝負です。麺の様子をみながら高温高圧で12〜15分一気に茹で上げ、7分蒸らします。

 固いだけでない、柔らかいだけでない。外はとろ〜り、中はもっちり。8mmの麺の中にあるミラクル!本当に手打ち讃岐うどんは美味しいですよね。これからも、理想の手打ちうどんを目指して、伝統を守り、挑戦してまりいます。

化学調味料に頼らない、スープの秘密は次回お届けします。

 

 

 ■2010/07/09
【仏跳麺の話】 
  今から42年前、昭和43年2月8日に「ラーメンさつま」は西鹿児島駅前の日生ビル地下1階に誕生しました。「ラーメンは鹿児島の郷土料理である!」鹿児島の豊かな食材の魅力を引き出すラーメンを目指し、お蔭様で現在では年間100万人ものお客様に支えていただいています。
 30年間の研究と経験を経て、自分達が納得できる究極のラーメン作りに取り組んだのが【仏跳麺】です。麺・スープ・具の追求、バランス、さまざまな角度から見直し、全国の人気店100店以上を再度研究し、3年にわたり試行錯誤を繰り返しました。

【コンセプト】
 ラーメンといっても様々なタイプがあり、「おいしいラーメン」をイメージした時、三者三様のラーメンがあります。その中で、私たちが最終的にえらんだのは、究極の上等ラーメンでした。鹿児島の郷土料理と胸を張って言えるラーメン。ラーメンが苦手な方でも食べたくなるようなラーメン。そんなラーメンを作ろうと決心しました。
◎鹿児島の素晴らしい食材の魅力をひきだしていること
◎一流の調理師(和食・洋食・中華等など)を唸らせる極上のスープ(調理技術・食材)
◎質の高さとラーメン独特の力強さを併せ持つラーメン。
商品の方向性が決まりました。

【まずは、スープ】
鹿児島の素晴らしい食材とは?
まずは日本一の農業大国・鹿児島には、鮮度と質の良い豚・鶏・野菜があります。
鮮度自慢の豚骨(げんこつ・背骨・頭骨・豚足)を生で集め、急いで骨割り・下茹でなど下処理をしておきます。このスピードと丁寧さが匂いを抑えます。言葉でいうのは簡単ですが、数百kgの骨をノコギリで切り、一度茹でこぼし、洗う作業は重労働です。しかし、細かく切った骨を一気に茹でることであくが外にでます。あえて背脂は使わず腹皮を使うことで、コラーゲンと力強さを加えています。鶏はもっと大変です。ブロイラーの1.5倍肥育した赤鶏の朝びきガラと親鶏のまる(肉のついたもの)を特別にお願いして、朝10時までに届けてもらいます。これも1時間かけて十分な下処理をしておきます。こんな素晴らしい鮮度の食材は鹿児島だから手に入ると感謝しております。
 脇役も重要です。たまねぎ・人参・ねぎの香味野菜に加え、魚介系だし(焼き海老・最高級国産昆布・北海道産の干し帆立貝貝柱)をふんだんに使うことで、豊かな香りと奥行きあるうまみが生まれます。
 一番大切な食材は水です。水そのものの美味しさと、食材からうまみを抽出する為には、硬度とクラスター(水分子集まりの大きさ)が重要なのです。様々な水を研究して、たどり着いたのが、大重谷湧水と電子チャージの組み合わせでした。
シラス台地で長い時間かけてろ過された大重谷湧水をさらに8時間電磁場で電気チャージしたお水は、まろやかで食材の奥まで浸透しうまみを引き出すお水に変身します。毎朝、天然湧水を汲みに行くことから私たちのスープ作りが始まります。
 またこれら厳選食材のうまみを引き出し、ラーメンの力強さを引き出すために、調理技術にも40年のノウハウが生かされています。スープ職人達が、強火・とろ火・弱火を使い分け、アクと戦いながら、1番スープ2番スープと20時間かけて抽出します。豚骨・鶏ガラ・親鶏・野菜・海鮮素材、それぞれに適した火加減や加熱時間があり、気温や湿度の様子を見ながら細心の注意を払いながらスープに命を吹き込んでいます。また、釜からはみ出すぐらい惜しげもなくふんだんに材料を使うことも、化学調味料に頼らずに奥行きのある味を出すポイントです。強火でひたすら炊く白湯スープでも、トロ火で丁寧にとる清湯スープにもない、複雑な味の奥行きと、上質さ、そして力強さを併せ持つ【仏跳麺スープ】ができました。スープはすぐには使わず、最低でも24時間真空状態で寝かせてから提供することで、まろやかさが増します。
スープの特徴を引き立たせるタレ、ねぎ油の秘密は次回お届けします。

【麺】
 コンセプトにあった麺の開発は難航しました。麺は太さ(太・中太・細)断面形状(丸・角・平麺)形状(ストレート・縮れ麺)コシ(噛み始めから噛み切れるまで抵抗が徐々に大きくなる)・ひき(引っ張ったときの伸び)・味(小麦の味)・香りがあり、これらを決めるのは小麦粉・かん水・添加物・水・製麺技術・湯で麺方法です。何百パターンという組み合わせの中から、最終的に細・丸・ストレート麺で、ひきの強い麺が選ばれました。また、かん水の独特の香りがせっかくのスープを邪魔するので、珊瑚カルシュウムでひきを出すことに成功しました。高級小麦に定評のある鳥越製粉社の最高小麦を使用し、天然湧水で合わせた生地をゆっくりゆっくり熟成させながら、切れのある細麺に仕上げ、粉くささを抜きひきを強くするために最低48時間3℃の特別熟成庫で熟成させます。